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おはようございます。

夜半より降り出した小雨が煉瓦の町を濡らしています。

ホテルの桟橋から下を覗くと、鯔や河豚、海月がゆるゆると泳いでをり、
水質が綺麗なことに感動します。
大村湾の干満を利用し、常に運河を循環させる設計は見事と言うほかありません。

ここハウステンボスはかつて、典型的な環境破壊型工業用地開発にさらされかけた区域でした。
それが景気循環の影響から中断、やがて観光地として再開発された経緯があります。

環境保護が声高に叫ばれ始めた時代の暁に、その思想の具現者としてハウステンボスは生まれたわけです。
生態系への影響を最小限にとどめ、且つ多くの客を集める町を創る。
その主題を守りながらの開発は並々ならぬ努力と費用を要したはずです。

コンクリート護岸は一切ありません。
波打際から路面の舗装など、この町の細部に至るまでが石垣と煉瓦でできてきます。

町を形作った設計者と施工者のこだわり、何より再開発に莫大な予算を投入した地元の覚悟が、今もこの町をして他のテーマパークの下卑た安っぽさとは一線を画さしめています。

こんな場所、他に日本のどこを探してもありません。

吾が輩は大学一年以来の再訪となりましたが、やはりハウステンボスが好きです。

町の維持には金がかかります。
実際、ハウステンボスも経営再建中です。
ホテルのサービスも斜陽感が否めない部分が見られました。
しかしこの町には潰れてほしくない。
ただのテーマパークではないここの魅力が広く認知され、沢山のリピーターが支える社会になってくれたら、と思います。