昭和20年より毎年ここ日本に来る終戦の日。

戦の終わりを、ノイズの多いラジオが告げているなか、
この日、吾が輩の身近な人々は何をしていたか。

父方の祖父は中国で原隊と共に行動中。
復員後、大陸で何を見たかは口を噤んだままでした。
母方の祖父は茨城にて召集令状を受け新兵訓練中でした。
水戸の空襲で犠牲となった市民の屍を片付けたこと、教官の鉄拳制裁のことを生前語り草にしていました。

南方戦線で戦死したり、シベリア抑留中に死んだ遠戚もいます。
生き残ることが危ういという中で祖父はそれぞれよく祖母と出会い、
両親を生んでくれたものだと思います。

孫世代の吾が輩にとって決して遠い昔の話ではありません。

旅行中だろうが仕事中だろうが、その手を止めて
8月15日正午は謹んで黙祷することにしております。

六十四回目八月十五日 山宗